hidden design

大阪市で働くデザイナーのブログです。ポートフォリオ→https://hiddendesignsite.wordpress.com/

リルケの糸、竹尾ペーパーショウ

リルケなら、志村ふくみ『晩禱 リルケを読む』、浜田到、高安国世、安部公房…。詩の言葉から詩が起こる、深く内面を視つめるその気配が何かに引き継がれる。良い(良い悪いってなんだろう。仮に設定したとして)作り手、創り手とは、のちにたくさんの大きな謎をのこす者をいうのだろうとしみじみ思う。

竹尾ペーパーショウ2014SUBTLE。「SUBTLE」(サトル)とは、かすかな、ほんのわずかの、とらえにくい、敏感な、という意味。人がいちまいの紙というものから影響を受け、反発を受け、それを感じることに支えられながら書き続けてきたこと、折ったり渡したり、捨てられなかったり…してきたことに潜む、またそこを起点とする、感覚の妙味や動き。その揺れを15名のクリエイターが表現した展覧会でした。

実にたくさんの根源的な謎が置かれていて、ドキドキした。削る、書く、掻く、保存する、破る、拮抗する、重ねる…。ふっと惹きつけて心を揺らし、行動を起こさせる力をもついちまいの紙。ある大きな謎を現そうとすることが表現であり、美しさという力が備わるんだと思う。

紙を突き破ろうとする石が埋め込まれていたり、削られたものが古代の自然物のような形を為したり。あれは何だったんだろう、と、のちにものこる何かかすかな心のざわめき。ふと字が絵に見えること。意味を語らない絵や写真のほうがある何かを切実に直截的に訴えかけてくること。目の前に見ている紙に象徴されるこの世界のあらゆる意味を、わたしが気付くと同時に作り上げているのだということ。