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大阪市で働くデザイナーのブログです。ポートフォリオ→https://hiddendesignsite.wordpress.com/

このことを口に出すと、…

このことを口に出すと、ある静寂が生まれます。物の周りにある静寂が。あらゆる運動は止み、輪郭になり、過去と未来の時から一つの永続するものがその輪を閉ざします。すなわち空間が、無へと追いつめられた「物」の大きな安静が。

(『筑摩世界文学大系』第60巻、筑摩書房、273ページ)

これはリルケの『オーギュスト・ロダン』第二部(1907年)の一節である。

 

睨みつけるような眼差し–そこに脆弱さと幼さを看取する者もいるかもしれない。血を見ることも、人ごみに紛れることも、死体に触れることもできず、最晩年に至っても鬱病を克服できていないとみずから打ち明けたこの男からは、どこか限りない孤独のようなものが滲み出している。そんな愚にもつかない理由、というか感触から、数年前、筆者はフェリックス・ガタリという思想家と向き合ってみようと思い立った。

 

合田正人『フラグメンテ』)

 

 

待たせながら待っている。引用された箇所を、作者がどう感じ引用しここへ置いたかということに感動したりしている。膝にのせた子がいろいろな気持ちを持ち、出られなかった出し物に出ている子たちをにこにこしながら応援している、ことにおされる心が生まれてくる、ことに驚いている。謝りながら謝ってどうにもならないと知っている、と知っている。

 

表現する(形にして提出するもの)それぞれに、それぞれの準備の仕方がある。それぞれがわたしを器として発酵していく、または、しずくを垂らしている。

銀刷りの「フラグメンテ」。文字のツメ方など、眺めながら。わたしならもっとツメツメにして小さくする、などとも思いながら撫でさすって愛おしんでいる。