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hidden design

大阪市で働くデザイナーのブログです。ポートフォリオ→https://hiddendesignsite.wordpress.com/

トレースやテープ起こしのよろこび/表現に必要な「ためらい」

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インクの染みがふと落ちて、時がどんどん刻まれる。インクの染みはもう染みとしてとどまっていられなくなり、ある表現となって展開していく。

 

 

ロゴタイプを制作するときなど、「既存のフォントをアウトライン化してパスをいじる」ことをよくします。

この作業にわたしはよろこびをおぼえたりします。

フォントがタイポグラファーによってどのように解釈され、工夫され、この世に生み出されたかという成り立ちを、自分の手で感じることができるから。パスをさわることで、「このフォントがなぜ美しいか」ということが体験できます。

 

よく感じるのが、フォントが「やっとそこに立っている」感覚です。

セリフ体のセリフは「飾り」などではなく、空にやっと手を引っかけてこの場所にぴしっと立つための「抵抗」「ためらい」でしょう。

 

 

デッサン、クロッキー、トレース、テープ起こしなどからも同じことを感じるし学べます。

テープ起こしは、人がいかにためらいながら、言い直しながら言葉を組み立てているかということ、言葉にできないところ=余白こそが聴きどころ、見どころかということが分かります。

 

 

表現とは、出過ぎても引き過ぎても駄目で、ある完璧さを求める運動のようだと思います。

内と外から拮抗し合い、人に使われ練られることが表現の宿命なのかもしれません。

 

 

フリーフォントがどんどん生産され続け、絵文字が洗練されていくこと、

ヒップホップがフィードバック・ループによって姿を変えて生き続けることなんかも、その象徴として見ることができるのでは。

 

 

ヒップ アメリカにおけるかっこよさの系譜学 (P‐Vine BOOKs)

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エクリの絵文字の記事。

ekrits.jp

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